夏休みの宿題で最後の最後まで残されがちなものと言えば…読書感想文。
夏休みも終わりに近づけば、慌てて図書館に駆け込んでといった事もこの時期ならではの光景です。
できることなら、早い時期に済ませてしまいたいですよね。
そこで、もしもあなたが歴史好きなら、歴史人物を題材にした本選びもいいかもしれません。
おすすめの歴史人物と本を5冊紹介します。
目次
おすすめの歴史人物その1:織田信長
幼少期、尾張の大うつけと呼ばれた織田信長は、桶狭間の戦いや長篠の戦いで次々と強敵を打ち破っていき、戦国時代の覇者と呼ばれるまでになります。
天下無敵といわれた武田の騎馬軍団を、鉄砲を大々的に導入することで打ち破ったり、楽市楽座や関所の廃止、南蛮貿易を行うなど、既存の型にはまらない生き方が魅力的な人物です。
※参照:織田信長の年表を小学生でもわかるように簡単にまとめてみた
現代語訳 「信長公記」 (新人物文庫)
太田 牛一 (著), 中川 太古 (翻訳)
「信長公記」とは、信長の旧臣である太田牛一が彼の側に仕えていたときに見た信長の様子を描いた資料です。信ぴょう性も高く、信長の才能や人格がわかりやすく綴られています。
信長が天下取りに向けて行った外交戦略をはじめ、時には贈答品のやり取りなども記されており、気配りの天才であった信長の意外な一面を知れるキッカケにも。
信長ファン、戦国時代ファンには文句なしにお勧めの一冊です。
おすすめの歴史人物その2:足利義満
室町幕府三代将軍足利義満は、南北朝を統一して幕府の力を揺るぎないものにします。日明貿易を始め、お隣の明(今の中国)との国交を樹立した業績も。
武家の立場でありながら、太政大臣として朝廷内でも権力をふるいました。
出家後、京都の北山で鹿苑寺金閣を建立し、北山中心の文化を開花させました。
※参照:足利義満ってどんな人?年表や金閣寺を小学生向けに解説!
天皇になろうとした将軍(小学館文庫)
井沢 元彦(著)
足利義満の祖父・尊氏らの活躍を描いた書物に「太平記」という作品があります。
鎌倉時代末期から南北朝時代初期の戦乱の世の中を描いた、日本史を代表する文学作品の1つです。
ではなぜ、戦乱の時代を描いた歴史書なのにタイトルが“太平”記なのでしょうか。
そんな疑問に対する謎解きから始まります。
そして義満暗殺説や観阿弥・世阿弥スパイ説など、著者ならではの切り口で、足利義満という人物について大胆な推理を展開しています。その推理のいずれもなるほど納得という説得力を持っており、まるで推理小説を読んでいるようです。
従来の歴史学者とは違う切り口で足利義満の人物像にせまる、おすすめの一冊です。
おすすめの歴史人物その3:菅原道真
現在では天神様として信仰を集める「学問の神様」こと菅原道真。
文章博士であり、詩人でもあり頭の切れる政治家と右大臣の地位まで上り詰めます。しかし藤原氏と対立し、大宰府へ左遷された後にその地で亡くなりました。
現在では学問の神様として、全国で受験生の信仰を集めています。
※参照:菅原道真のプロフィールと年表を小学生にもわかりやすく解説
菅原道真 見果てぬ夢(河出書房)
三田 誠広 (著)
受験の神様として広く知られた菅原道真の、政治家として奔走した劇的な生涯を描く本格歴史小説です。道真をとりまく貴族社会での恋愛や政治のかけひき。その中で道真は国を思い、国を良くしようと奔走します。
かつての日本にも、このように優れた先人がいたのだということを知り、自分たちのこれからの生き方を考えさせられる一冊です。
おすすめの歴史人物その4:徳川慶喜
江戸幕府15代将軍の徳川慶喜は、「権現様(家康)の再来」と呼ばれるほど、その才能、能力は敵方の人々からも一目置かれていました。
一方、将軍に就任してからの慶喜はわずか11ヶ月で大政奉還をおこない、徳川260年の時代に幕を下ろしました。その後、新政府と戦ったことで天皇に弓を引いた逆賊として死罪やむなしと言われていましたが、死罪を免じられて静岡に隠居しています。
また、慶喜は写真や油絵、サイクリング、釣り、ハンティング、手裏剣と、非常に多趣味な一面もあった人物としても知られています。
2021年の大河ドラマ「青天を衝け」では、草彅剛さんが慶喜を演じており、大きな話題を呼びましたね。
※参照:徳川慶喜ってどんな人?年表や大政奉還を小学生向けに解説!
最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)
司馬 遼太郎 (著)
江戸幕府最後の将軍となった慶喜の生涯を、順を追って読むことが出来ます。
小説を読み進めていくうちに、在位わずか11ヶ月で大政奉還せざるを得なかった「最後の将軍」の心のうちがわかります。
自分のことよりも、日本の未来がより良いものになっていくことを強く願う慶喜の魅力にひかれる事でしょう。
歴史に対してあまり興味が持てなかった人でも、慶喜やこの時代に生きた志の高い幕末の志士たちの人生ドラマにどんどん引き込まれていく一冊です。
おすすめの歴史人物その5:芥川龍之介
芥川龍之介は明治時代生まれの近代日本を代表する小説家で、古典の説話集「今昔物語」を題材とした歴史小説や短編などの傑作が多くのこされています。
代表的な作品には「地獄変」「羅生門」「鼻」「藪の中」などがあり、現在にいたるまで親しまれています。
また、芥川龍之介の名を冠した文学賞「芥川賞」は今でも権威ある文学賞の一つです。
※参照:芥川龍之介ってどんな人?年表や代表作を小学生向けに解説!
芥川龍之介 (翰林書房)
関口安義(著)
人間とは何かとの問いに真摯に向かい続けた芥川龍之介の生涯と、『地獄変』『羅生門』を代表とする数々の作品から、人間・芥川龍之介の作家像を探ります。
現代にいたっても色あせることなく読む人の心を捉えて離さない芥川作品。
その作品は世界三十か国語に翻訳され、海外でも高い評価を受けています。
芥川作品がなぜ、年代や国境を越え、今なお人々の心をとらえ続けるのかに迫った一冊です。
この記事のまとめ
読書感想文の題材に歴史人物を選びたい方に向けて、おすすめの人物と本を5冊紹介しました。
歴史人物は、書き手によってさまざまに解釈され描かれています。
歴史的事実に基づいて浮き彫りにされる人物像と、書き手の想像力によって肉付けされた人物像と比較しながら、読書感想文として仕上げていくのもおもしろいかもしれません。
ちなみに、以下の記事では「戦国武将」にしぼって歴史人物を紹介しています。
読書感想文の題材の参考として、あわせてご覧になってみてください。
※参照:読書感想文の題材には戦国武将がおすすめ!本を10冊紹介!