毎週放送されている大河ドラマ
歴史ファンの間では良くも悪くも話題になる作品だと思います。

その一方で、このドラマの始まりについてご存知の方は、特に若い方の場合そこまで多くはないのではないでしょうか。このドラマを制作する際には、戦後制定された「五社協定」呼ばれる決まりを乗り越える必要があったのです…。

大河ドラマの名前の由来と共に、その経済効果についても見ていきましょう。
スポンサードリンク

大河ドラマの始まりと「五社協定」という壁


大河ドラマの始まりは、日本のテレビ放送の黎明期でもある1961年にさかのぼります。

当時のテレビ放送は、映画に比べると技術、知名度共にまだまだな点がありました。
そこで、当時のNHKの芸能局長であった長沢泰治氏が、NHKとイタリア放送協会の合作作品「二つの橋」の制作者と共に、大河ドラマの構想を練っていく事になります。

その計画は壮大なものだったようで、映画俳優や歌舞伎役者など、当時の人気スターを多数集めようとしたそうです。その結果、当時の人気歌舞伎役者であった尾上松緑(おのえ しょうろく)の出演を得られた一方、映画俳優を集めるのにはかなり苦労したそうです。

と言うのも、当時の映画界には「五社協定」と呼ばれる、映画会社に所属している監督や俳優の引き抜きや貸出を禁じる規定があったからです。しかし、ドラマの制作者達は五社協定の壁を乗り越え、人気スターだった佐田啓二や淡島千景などのキャスティングに成功しました。

そして1963年4月7日、大河ドラマ第1作にあたる『花の生涯』が放送されます。主演は尾上松緑で、取り上げられた人物は幕末の大老・井伊直弼でした。

この出来事を機に、1953年に制定された五社協定は崩れていきます。
新しいものを作るという壮大な計画のもとに困難を乗り越えて、のちの映像業界に大きな影響を与えたはじまりだったのですね。

スポンサードリンク

大河ドラマの名前の由来って?


それでは、大河ドラマという名前にはどのような由来があるのでしょうか。

大河ドラマの第一作にあたる「花の生涯」の放送開始時には、「大河ドラマ」という名称は使われていませんでした。もともとは「大型時代劇」と呼ばれており、その後「大型歴史ドラマ」の名称が用いられるようになりました。

1964年、第二作である「赤穂浪士」の放送の際に、読売新聞がこの作品を、個人の生涯を時代の流れに沿って描く「大河小説」になぞらえて大河ドラマ」と読んだ事が、このドラマの名前の由来とされています。

その後、15年連続でドラマが放送されると、その記念として『大河ドラマの15年』といった番組が1977年に放送されたのですが、この時がNHKが「大河ドラマ」の表記を最初に使用した出来事だと言われています。
翌年の『黄金の日日』の頃には「大河ドラマ」の名称が定着し、放送時にも「大河ドラマ」のシリーズ名が表記されるようになります。

つまり、「大河ドラマ」という名前は、初めから使われていなかった事になります。
このドラマが時代と共に作られた作品だと言うことを示す格好のエピソードですね。

スポンサードリンク

大河ドラマの経済効果はどれ位?今までの最高額は?


大河ドラマは年間に渡って放送されるため、その経済効果も非常に大きなものになっています。

ここ数年の作品の数値としては、2014年の「軍師官兵衛」では243億円、2016年の「真田丸」では200億円の経済効果があったと推測されています。2018年の「西郷どん」は258億円で、奄美大島への旅行者が増えた事でも話題になりました。

特筆すべきは2010年に放送された「龍馬伝」で、高知県に535億円、長崎県にも200億円以上の経済効果をもたらしたと言われています。

一方で、視聴率的には振るわなかった2015年の「花燃ゆ」は138億円、2012年の「平清盛」は193億円の経済効果があったと言われてます。2017年の「おんな城主直虎」の場合は、日本銀行静岡支店が179億円の経済効果を見込んでいると発表しています。


他分野と比較すると、プロ野球の阪神タイガースが2003年に優勝した際、1000億円の経済効果があったと言われています。

大河ドラマの経済効果はさすがにこれだけのものはありませんが、毎年100億円以上の経済効果をコンスタントにもたらした事を考えると、このドラマが日本経済に与える効果はかなり大きいと感じます。

その経済効果を得るために、今も日本各地の自治体が誘致合戦を繰り広げているわけですね。


※追記:2021年7月5日
2020年の「麒麟がくる」の経済効果については、主人公の明智光秀ゆかりの地である京都府福知山市が4億6千万円という数値を発表しています。ドラマ内で福知山市がほぼ描かれなかった事やコロナ禍もあり、数値としては寂しい結果になっているのが現状です。

今後、コロナの感染状況がどうなるかにもよりますが、100億円以上の経済効果が今後も得られるか…については、個人的には懐疑的な目で見ています。今後の発表にも注目したいですね。

この記事のまとめ


大河ドラマの始まりや名前の由来、その経済効果についてご紹介しました。

大河ドラマの始まりは、五社協定の壁を越えた画期的なものであり、15年間の放送にしたがって「大河ドラマ」という名前が「大河小説」にちなんで使われるようになります。

経済効果に関しては少なくとも100億円に登るため、大河ドラマの話題はメディアで良くも悪くも取り上げられる事が多いです。

コロナ禍により今後どの程度の経済効果が得られるかは不透明な面もありますが、「次の大河ドラマの舞台となる地域は?」という点については、今後も話題を集め続けそうですね。