来年の大河ドラマ「おんな城主直虎」のキャストが発表され、今まであまり表舞台に出てこなかった主人公井伊直虎という武将に注目が集まっています。

井伊直虎という人物は、実は次郎法師という名で出家していた女性です。なぜ、出家していた女性が直虎という名前を名乗り、城主を務めるようになったのでしょうか。

ドラマのあらすじや原作の有無をはじめ、ヒロイン、井伊直虎が城主を務めた城などを先取りしてチェックしちゃいましょう!
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おんな城主直虎のあらすじについて解説!


まずは「おんな城主直虎」のあらすじについて見ていきましょう。
(ネタバレを含むので、ご注意ください)


柴咲コウさん演じる「おんな城主直虎」の主人公、井伊直虎は、遠江(現在の静岡県)の井伊家の当主・井伊直盛の娘として誕生しました。直盛の子は娘一人のみで、跡継ぎとなる男の子がいませんでした。
そのため、分家の亀之丞(後の井伊直親)を直虎の娘婿として、井伊家を継がせる予定でした。


ところが、その井伊家をさまざまな悲劇が襲います。

強大な今川義元に仕えていた井伊家ですが、謀反の疑いをかけられ、亀之丞の父が突然殺されてしまいます。命の危険を感じた亀之丞は信州へと逃げ、それ以降消息が途絶えます。婚約者の失踪により、直盛の娘は「次郎法師」という男の名をつけて龍潭寺に出家しました。

※参照:井伊直虎の父親や婚約者について。井伊直政との関係は?


それから10年の歳月が流れ、行方知れずとなっていた亀之丞が突然井伊谷の地に戻ってきます。亀之丞は井伊直親と名を変え、井伊家の跡を継ぎます。その直親ですが、逃亡中に別の娘と結婚を結婚してしまい、直虎は婚期を逃すことに…。


井伊家の悲劇は続きます。まずは1560年の桶狭間の戦いで、直虎の父の井伊直盛が戦死。更にその3年後には当主となった直親が今川家に殺されてしまいます。こうして井伊家の男子は、2歳になる直親の息子・虎松を除き後継者がいなくなってしまいます。

井伊家はこのまま滅んでしまう一族なのでしょうか。井伊家が混乱する中、龍潭寺の住職、南渓和尚は女の次郎法師に継がせる、という妙案を出します。


1565年、次郎法師は「井伊直虎」と名乗り、女の身でありながら城主になります。直虎が城主になってからの領内の立て直し、内外の対立などさまざまな苦難を乗り越えて、ばらばらに崩壊寸前だった井伊家を直虎の戦いが始まっていきます。

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「おんな城主直虎」には原作はあるの?


おんな城主直虎のあらすじについてご紹介しましたが、このドラマには何かしらの原作はあるのでしょうか。

大河ドラマ「おんな城主直虎」については、原作はありません。そもそも、井伊直虎自身の資料そのものもあまり多くは残されていないのです。


直虎についての主な資料は、『井伊家伝記』が代表的なものです。直虎の生涯についての記録が残されていますが、地元の伝承をもとにして構成されており、誤伝も多くふくまれていて、史実とは言い難い内容が多い史料であるとされています。直虎の生涯については、書き手の創作も含んでおり、史実性については再検証が求められている資料です。


ドラマの原作がない以上、脚本家は誰なのか気になりますね。

今回「おんな城主直虎」の脚本を担当するのは、「世界の中心で、愛をさけぶ」「白夜行」「仁-JIN-」「とんび」「天皇の料理番」NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」など、数々のドラマ脚本を手掛けてきた森下佳子さんです。数少ない資料をもとに、史実からは分からない部分も多い直虎の生涯については、森下さんの創作を含んだ完全オリジナルシナリオということになります。

※参照:大河ドラマの始まりや名前の由来とは。経済効果はどれ位?

「おんな城主」直虎が城主を務めた城はどこ?


ここで気になるのは「おんな城主」というタイトル。
この「城主」というのは、一体どの城を指しているのでしょうか。


井伊直虎が城主を務めたのは井伊谷城というところです。

この井伊谷城は現在の静岡県浜松市の北区にあり、現在は井伊谷城跡城山公園として整備されています。1010年に、藤原氏の末裔である井伊共保(ともやす)がこの地に移って井伊を名乗り、築いた城が井伊谷城の始まりと言われています。

この城を居城として、直虎は徳政令を発布したり、造反した家臣や武田信玄に城を奪われては取り返すなど、井伊家の当主として活動しています。直虎の死後は養子の虎松(後の井伊直政)がこの城を継ぎ、主君である徳川家康が関東に移封されるまで井伊谷城の城主を務めました。

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この記事のまとめ


大河ドラマ「おんな城主直虎」のあらすじや原作の有無、そしてヒロインの井伊直虎が城主を務めた井伊谷城についてご紹介しました。

江戸幕府で大老を排出した4家に数えられる井伊家が、かつては数々の滅亡の時期を乗り越え生き延びた歴史があったという事実もさることながら、最大のピンチを切り抜けるために生涯をささげた女性当主がいたという事実は、現代でも世の女性たちの希望の星となるに違いありません。柴咲コウさん演じる直虎の活躍に注目したいです。


なお、以下の記事では直虎の養子で徳川四天王の1人に数えられる井伊直政の能力について解説しているので、興味があれば一度ご覧になってみて下さいね。

※参照:井伊直政の軍事、内政、外交面の能力について解説!