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江戸幕府を開いた徳川家康は、当時としては寿命も長く、織田信長や豊臣秀吉とたくさんの戦を経験してきた人物です。

その徳川家康が大敗したことで有名な戦いに、三方ヶ原の戦いがあります。
今後の戒めとして、家康がしかみ像と呼ばれる肖像画を書かせたことでも有名な戦いです。

この記事では、その三方ヶ原の戦いを家康の敗因と共に解説します。

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三方ヶ原の戦いを簡単に解説!


まずは「三方ヶ原の戦い」について簡単に見ていきましょう。

三方ヶ原の戦いが行われたのは1573年1月です。当時は織田信長が京都へ上洛しており、これに対して室町幕府15代将軍・足利義昭により信長包囲網が敷かれていた時代でした。甲斐国(現在の山梨県)などを領する武田信玄も信長包囲網に参加。信長と同盟していた徳川家康の領国を侵攻する西上作戦を行っていました。

甲斐国を出発した信玄は、家康の両国である遠江国(現在の静岡県西部)に侵攻を開始します。三方ヶ原の戦いの前には一言坂(ひとことざか)の戦いや二俣城の戦いが行われており、いずれも武田家が勝利します。
信玄は次にどこを狙うのか?と考えた家康は自身の本拠地である浜松城だと考え、信長の援軍と共に籠城戦の準備を行いますが、信玄はこれを無視し、三方ヶ原台地へと進軍しました。

これを知った家康は、作戦を変更。三方ヶ原台地を通過する武田軍を背後から突こうとします。

しかし、実際に三方ヶ原台地に着くと武田軍は台地を通過せずに徳川軍を待ち構えていました。

武田軍の兵力は徳川軍の約2倍で、そもそも野戦が得意な武田信玄です。

三方ヶ原の戦いの結果、徳川家康は討死寸前まで追い詰められ、2時間ほどの合戦で大敗を期してしまいました。

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三方ヶ原の戦いにおける武田信玄の勝因とは?


では、この三方ヶ原の戦いにおける武田側の勝因は、一体何だったのでしょうか?


通説では、徳川軍が武田軍の挑発に乗ったことが大きいと言われています。

挑発とは、もちろん浜松城を無視し進軍したことです。

しかしこれは本当に挑発であったかどうか疑わしいところで、家康の出撃については様々な説が唱えられています。


また、武田軍の特徴というものも、勝利の背景には大きく関係しているのではないでしょうか。


少し前でもご説明しましたが、元々、武田信玄は野戦が得意な武将です。

実際、武田軍は機動力の高い騎馬隊が有名でもありましたし、上杉謙信と複数回戦ったことで有名な川中島の戦いも野戦が主です。

また、野戦は兵力が大きい方が一般的に有利とされています。この時、徳川軍の約2倍の兵力を持つ武田軍が野戦に持ち込めたことの意味は大きいと個人的には思っています。

三方ヶ原の戦いにおける徳川家康の敗因とは?


一方、織田・徳川軍の敗因は何だったのでしょうか。


これも、徳川家康軍が籠城戦から追撃に作戦を変更したことが理由として挙げられます。

しかしそれだけではなく、織田軍の状況も関係しているのではないかと私は思っています。


当時は織田信長討伐令により、織田軍は包囲網を敷かれた状況でした。これにより、織田の主力部隊は近畿地方の他の戦に割かれます。

また、織田軍は武田軍と同盟関係にあったため、武田の西上作戦開始時には徳川家康軍への援軍は出されていなかったのです。これにより、援軍の数が少なくなったと考えることもできます。


また、徳川家康の出撃には、織田、武田のどちらが勝っても徳川家康に有利になるような戦略があったとされる説もあります。


こうした様々な要因がいくつも重なった結果が、徳川家康軍の大敗につながったのではないでしょうか。

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この記事のまとめ


三方ヶ原の戦いについて簡単に解説してきましたが、理解していただけましたか?


三方ヶ原の戦いとは、西上作戦を行う武田信玄に対して奇襲をかけようとした徳川家康のもくろみによって勃発しました。しかし、武田信玄は家康の考えを読んでおり、結果として織田・徳川連合軍は信玄によって大敗することになります。

この三方ヶ原の戦いの背景には、武田信玄の軍勢の数が多く、しかもその多くが野戦を得意としていた事、そして織田の援軍が少なかった事が挙げられます。こうした要因の結果、徳川家康は武田信玄に大敗を喫してしまいました。



なお、この三方ヶ原の戦いは、徳川家康にとって伊賀越えと並ぶ人生最大の危機とされており、多くの逸話を残しています。

それだけ、研究者を魅了する戦いであり、戦いの経緯や出撃の理由を考えるだけで多くのの見方ができる戦いでもあるのです。

負け戦を考えることも、その人物の理解を深めることに必要なことではないでしょうか。