%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88_2016-10-30_8_45_57

徒然草」と言うと、学校の教科書で見た事があるという方も多いのではないでしょうか?

このページでは、そんな徒然草の内容について中学生の方向けに簡単にご紹介します。

また、作者の吉田兼好がどんな人だったのかについても見ていきましょう!
スポンサードリンク

徒然草について中学生向けに簡単に解説!


まずは徒然草がどのような作品だったのかを、中学生の方向けに簡単にご紹介します。

徒然草は、吉田兼好(よしだけんこう)によって書かれたといわれている随筆です。鎌倉時代末期ごろにまとめられたと言われていますが、他にも色々な説があります。吉田兼好が50代のころ書いたと伝えられていますが、若いころに書いた文章も含まれているという説もあります。

また吉田兼好が書いた、というハッキリとした証拠は残されていません。というのも、この徒然草が世の中に出たのは、書かれてから100年も後のことだったからです。
室町時代の僧・正徹がこの作品に注目して自分で書き写した写本に、この作品の作者として吉田兼好についても紹介したところから知られるようになりました。

そして正徹の弟子達や文学を好む歌人たちの間で広まり、江戸時代になると挿し絵なども入った版本が刊行されて身近な古典として親しまれるようになり、江戸時代の文化に大きな影響を与えて現代まで伝えられています。
また、清少納言の「枕草子」や鴨長明の「方丈記」と並ぶ、日本三大随筆の一つとしても高く評価されています。

※参照:清少納言ってどんな人?年表や枕草子を小学生向けに簡単に解説

徒然草の内容についてわかりやすく解説!


続いて、徒然草の内容についてもう少し詳しく見ていきましょう。

まずはこの「徒然草」というタイトル。何も知らない人が目にしたら、植物の名前と間違えそうですよね。この「」は「草子」を略していて、「草子」とはノートという意味なんです!
また「徒然」とは、「やるべき事がなくて、手持ち無沙汰なさま」という意味があります。

・徒然:やる事がなくて手持ち無沙汰な状態
・草:ノート

こうして見ると、「徒然草=ヒマつぶしノート」なんて考えても良さそうですね(笑)作者・吉田兼好のちょっと皮肉っぽい、ユーモアのある感性が感じられませんか?


それでは本文の構成はどうなっているのでしょうか?

徒然草は全部で243段の随筆によって構成されていて、上巻と下巻に分かれています。数行で終わってしまうとても短い段もあれば、長い文章で考えを語る段もあります。まるで、日記かブログみたいな感じで、日々思いつくままに書き連ねていったのでしょうね。

テーマも幅広く語られていて、生き方、友人、恋愛、旅、仏道修行、自然などなど、とにかく様々な切り口で、笑い話から人生の話まで、ユーモアをまじえたり、皮肉っぽいクールな目線で書かれた、世の中の間違いを指摘するような文章は、堅苦しくないけれど、深い思想があり、現代でも共感できる内容もたくさんありますよ。

スポンサードリンク

吉田兼好とはどんな人だったのか?


では、徒然草の作者の吉田兼好とは、一体どんな人だったのでしょうか?

吉田兼好の本名は卜部兼好(うらべかねよし)と言います。卜部家は昔から神職の家柄で、父・兼顕も吉田神社の神職でした。卜部家は後の時代になると吉田家と名乗るようになったため、「卜部兼好」ではなく「吉田兼好」という名前の方がよく知られています。

吉田兼好が産まれたのは1283年頃だと言われています。1301年頃、若くして六位蔵人(ろくいのくろうど)という役職に任じられ、その後、従五位下左兵衛佐(じゅごいげ さひょうえのすけ)という役職にまで昇進しました。しかし30才ごろに出家して、世の中から隠れた静かな生活をおくるようになります。

兼好の生涯については分からないことが多いのですが、「二条派」という和歌の流派のトップ・二条為世(にじょうためよ)という人について和歌を学び、その歌人としての実力は為世門下の和歌四天王の一人に数えられるほどでした。兼好が詠んだ和歌は「続千載集」「続後拾遺集」「風雅集」の中に全部で18首収められています。感性の鋭い、アーティスト気質の人だったのかもしれませんね。

そして出家後の兼好は質素で気ままな暮らしをしていたとも伝えられています。気ままな生活のなかで、日々思いつくことを得意の文章でさまざまに書き連ねたのが徒然草というわけです。

スポンサードリンク

この記事のまとめ


徒然草の内容と作者の吉田兼好がどんな人だったのかを、中学生の方にもわかるように簡単にご紹介しました。

徒然草は全部で243段の随筆によって構成されていて、上巻と下巻に分かれています。笑い話から人生の話までさまざまな切り口で語られる作品は、清少納言の「枕草子」や鴨長明の「方丈記」と並んで日本三大随筆の一つとして評価されています。

吉田兼好は神職の家柄に産まれ、若くして出世しますが30才ごろに出家します。また和歌の達人としても知られており、二条派という和歌の流派の中では四天王と言われるほどの実力を誇ったと言われています。

今から700年以上も前に書かれた徒然草。現代の私達が読んでも、思わず「わかるな~」と共感したり、笑ってしまったりする随筆です。
読書感想文の題材にしてみるのもいいかもしれませんね。

※参照:読書感想文の題材には歴史人物がおすすめ!本を5冊紹介!