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2020年の東京オリンピックが話題ですが、同時に行われる予定であるパラリンピックについても注目が集まりそうですね。障がい者のスポーツ大会として有名なパラリンピックですが、その起源は一体何だったのでしょうか。

このページでは、パラリンピックの歴史について簡単にわかりやすくご紹介します。
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パラリンピックの起源とは?提唱したのは医師!?


パラリンピックとは、オリンピックと同じ年に同じ場所で開催される、肢体不自由の身体障がい者を対象とした競技大会の中で世界最高峰の障がい者スポーツ大会です。そしてこの大会の起源とされているのは、1948年7月28日イギリスのストーク・マンデビル病院で行われたストーク・マンデビル競技大会です。

この大会は、ドイツからイギリスへ亡命してきたユダヤ系医師ルートヴィヒ・グットマンの提唱により、ストーク・マンデビル病院で、第二次世界大戦で脊髄を損傷した軍人のリハビリのために開催されたのがきっかけで開催され、車椅子の入院患者男子14人、女子2人によるアーチェリー競技会が行われました。

この競技は毎年開催され続け、1952年には「第一回ストーク・マンデビル競技大会」という名前の国際大会へと発展していきます。第一回の参加国はイギリスとオランダの2カ国のみだったものの、この大会は毎年続けられ、1960年にはグットマンを中心に国際ストーク・マンデビル大会委員会が設立。同じ年、オリンピックが開催されたローマで行われた「第九回ストーク・マンデビル競技大会」が、後の第一回パラリンピックと呼ばれるようになりました。

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パラリンピックの歴史(1988年まで)


第一回パラリンピックは23カ国の選手400名が参加し、大成功に終わりました。日本はこの大会に参加こそしなかったものの、続く第二回パラリンピックは1964年の東京大会で行われています。この大会は2部構成で行われ、1部は「ストーク・マンデビル競技大会」として、そして2部は障がいを持つ日本人選手だけが参加する大会として行われました。

ちなみに、パラリンピックと言えばオリンピックが行われた都市で行われるイメージがありますが、この頃はこの2つの大会は別々の国で行われていました。例えばパラリンピックの第3回大会は1968年にイスラエルで行われていますが、この年のオリンピックはメキシコで行われています。オリンピックとパラリンピックが同じ都市で行われるようになるのは、1972年のドイツ大会以降になります。

また、「パラリンピック」という名称は1988年のソウル大会から呼ばれるようになったものであり、当初は「ストーク・マンデビル競技大会」の名称が引き続き使用されていました。このソウル大会が開催された時、パラリンピックは61か国から3,057名の選手が出場者を誇り国際大会にふさわしい大会に成長していました。

この大会は、オリンピック組織委員会がオリンピックとパラリンピックを連動させたはじめての大会となり、パラリンピックという愛称が正式名称に定められ大会でもありました。

※参照:1964年東京オリンピックの競技や開会式について。都知事は誰?

パラリンピックの歴史(1989年から)


その翌年の1989年には、パラリンピックを運営するための組織である国際パラリンピック委員会(IPC)が、ドイツのデュッセルドルフで創設されました。それ以来、パラリンピックという言葉は、障がい者にスポーツ活動の機会を提供する「機会均等と完全参加」という理念および「障がい者のスポーツのエリート性」を表す言葉になりました。

2000年には、オーストラリアで第11回シドニーパラリンピック開催されましたが、その大会期間中、ファン・アントニオ・サマランチIOC会長と、ロバート・D・ステッドワードIPC会長によってIOCとIPCとの話し合いが持たれ、「オリンピック開催国は、オリンピック終了後、引き続いてパラリンピックを開催しなければならない」との基本的な合意に達しました。

さらに2001年には、スイスにおいて、IOCとIPCの両会長によって、IOCとIPCとの協力関係に関する持たれ、より詳細な協力関係に関する合意がなされ、「もう一つのオリンピック」と呼ばれるにふさわしい、世界最高峰の障がい者スポーツ大会へと今なお発展し続けています。

その一方で、パラリンピックの起源は車椅子の利用者のためのスポーツ大会という点にあります。障がい者のスポーツ大会としては、知的障害者の大会であるスペシャルオリンピックスや聴覚障害者の大会であるデフリンピックといったものがある事も、パラリンピックの歴史を知る上では知っておきたいところですね。

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この記事のまとめ


パラリンピックの歴史について、その起源を含めご紹介しました。

パラリンピックは、第二次世界大戦で傷を負った軍人のリハビリ目的で始まりました。当初は福祉的側面から捉えられていましたが、近年は「競技性」が高まり、日本においても陸上競技や車いすテニス等でプロ選手が誕生し、「障がい者アスリート」という言葉も使われるようになりました。

オリンピックもパラリンピックについても、スポーツそのものが障がいを持っている人もそうでない人も、高い目的意識をもって、楽しめるスポーツの世界大会として、または平和の祭典として継続、発展していってほしいですね。

なお、以下の記事では日本のオリンピックの歴史について解説しているので、興味があれば一度ご覧になってみて下さいね。

※参照:日本のオリンピックの歴史についてわかりやすく解説!