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「芥川賞」という言葉を聞いたことがありますか?
この賞は、大正時代に活躍した芥川龍之介という人にちなんで作られたものです。

賞の名前にまでなる作家・芥川龍之介とは、一体どんな人だったのでしょうか。
今回は芥川龍之介について、年表を使いながら小学生にもわかるように解説します。

代表的な作品についても解説しますので、自由研究や読書感想文の参考にしてみてください。
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芥川龍之介ってどんな人?小学生にもわかるように解説!


まずは芥川龍之介がどんな人だったのかを、小学生の方にもわかるように解説します。

芥川龍之介は1892年に東京市京橋区(現在の東京都中央区)に生まれます。
母親が病気がちであったため、龍之介は母方の実家・芥川家に預けられました。

龍之介は子どものころからとても頭がよく、第一高等学校、東京帝国大学(現在の東京大学)へと入学し、エリートコースを歩みます。大学に入学した龍之介は文学活動を始め、仲間たちと同人誌『新思潮』を作ります。「羅生門」や「鼻」といった代表作品を発表したり、夏目漱石の弟子になったりしたのもこの頃でした。

大学卒業後は教師として働く一方で文学活動にも打ち込みます。妻子にも恵まれますが、1921年ごろから心も体も病気がちになります。神経衰弱という病が悪化し、心のバランスを崩してしまった龍之介は、1927年に自ら命を絶ちました。

※参照:夏目漱石ってどんな人?年表や代表作を小学生向けに解説!

小学生でもわかる!芥川龍之介の年表


ここでは芥川龍之介の年表を、小学生の方にもわかりやすいようにご紹介します。


・1892年(0歳)
牛乳屋を営む父・新原敏三と母・フクの長男として生まれる。
フクの病のため、フクの実家・芥川家に預けられる。


・1902年(10歳)
母・フクがなくなる。


・1904年(12歳)
芥川家の養子となる。


・1910年(18歳)
第一高等学校に入学。成績優秀であったため、無試験で入学した。


・1913年(21歳)
第一高等学校を卒業して、東京帝国大学に入学する。


・1914年(22歳)
『新思潮』を作り、文学活動を本格的に始める。


・1915年(23歳)
代表作「羅生門」を雑誌『帝国文学』に発表。
夏目漱石が開く勉強会に参加し、漱石と交流を持つ。


・1916年(24歳)
「鼻」を発表。「芋粥」で作家デビューを果たす。
 

・1917年(25歳)
短編集『羅生門』『煙草と悪魔』を発表。


・1918年(26歳)
塚本文と結婚する。
「蜘蛛の糸」を子ども向けの文学雑誌「赤い鳥」に発表。


・1921年(29歳)
大阪毎日新聞社の視察員となり中国に行く。
帰国後から体調不良が続くようになる。


・1927年(35歳)
睡眠薬により自殺する。

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20代を中心に才能を発揮したものの、30代は病に苦しめられた芥川龍之介。もしも芥川が長生きしてたら、これよりもっと多くの作品が発表されていたかもしれませんね。

それでは、芥川龍之介の作品にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下で詳しく見ていきましょう。

芥川龍之介の代表的な作品について解説


芥川龍之介は短編作品を中心に多くの小説を書いています。
その中でも、芥川の代表的な作品を5つご紹介します。


・「羅生門
「羅生門」は『今昔物語集』という平安時代に書かれた説話が基になっています。生きるために悪事を働く老婆と男のやり取りを描くことにより、人間誰もが持っている「自分の利益を優先する」ということについて問題を投げかけています。高校の教科書にも載っている、名実ともに芥川龍之介の代表作です。


・「
主人公の僧侶は大きな鼻をしているため、人々に笑われてしまいます。傷ついた僧侶は鼻を小さくします。ところが、僧侶は鼻が大きかった頃よりも馬鹿にされていると感じるようになります。僧侶と周囲の人間のやり取りを中心に「同情心」や「利己心」という人間の感情を上手に描いたこの作品は、夏目漱石に絶賛されました。


・「地獄変
画家の良秀は大殿から「地獄変」の屏風を描くように命令されます。良秀は屏風を描くために女性が焼け死ぬ光景を見たいと言います。大殿はその焼け死ぬ女性に良秀の娘を選びました。娘が目の前で焼かれているにも関わらず、良秀はその光景を絵にすることに一生懸命になります。「芸術のためには犠牲も問わない」という芥川龍之介の考え方が垣間見える作品です。


・「蜘蛛の糸
地獄に落ちた男が過去に蜘蛛を助けた経験から、一度だけ助かるチャンスを与えられます。ですが、男は自分だけ助かろうとしたため、結局地獄から抜け出すことはできませんでした。この作品もまた「自分だけがよければいい」という人間の醜さを扱った作品と言えるでしょう。


・「藪の中
殺人と乱暴という2つの事件めぐる3人の当事者と4人の目撃者の証言をつなぎ合わせてつくられた作品です。7人の証言は見事なほどにつじつまが合わず、事件の真相は読者にわからないように作られています。芥川作品の傑作と言われることも多く、「真相は藪の中」という言葉まで生み出しました。

この記事のまとめ


芥川龍之介とはどんな人だったのかを、年表や代表作をふくめて小学生の方にもわかるようにご紹介しました。

35年という短い人生を送りつつも、「羅生門」「鼻」「地獄変」「蜘蛛の糸」「藪の中」といった有名な作品を数々執筆した龍之介は、とても頭がよく、人間の内面に対する観察意識も鋭かったのでしょう。芥川龍之介の作品は、人間は抱える問題に対して多くの問いを投げかけているため、ぜひ一度読んでみてくださいね。

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